日常は薄光りする

日常は薄光りする

山本優美

2022. 05. 27 - 06. 05

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会期
2022年5月27日(金)~6月5日(日)  会期中無休

時間
11:00 – 18:00

6/7 11:00 – 16:00

会場
Gallery Hayashi

主催
ART BRIDGE

2 年前の春、緊急事態宣言による外出自粛のもと、小さな子供とともに限られた日常の空間に閉じ込もることになった。まるで外の世界との繋がりが断たれてしまったかのような時間だった。
本作「日常は薄光りする」は、私の家族の〈身に着けられ、洗われ、畳まれた衣服〉である洗濯物をモデルに制作された。衣食住にまつわる家事労働は生命を繋いでいくための人間の根源的な営みだ。日々、家事労働のルーティンに向き合うことは、暮らしにリズムを与え心地よさを生み、時に美しさすら感じることもある。同時に、コロナ禍により社会との繋がりと断たれたような感覚のなかで、寝ても覚めてもこの見えない労働に従事し続けることは苦しくもあった。しかしこうした家事労働と向き合うなかで生まれる感情は、(多くは女性にとって)コロナ禍による自粛以前から生活の中心に横たわっていたものだったとふと気が付いた。個々のささやかな暮らしは、大きな力が作り出す物語の荒波にいとも容易に呑まれていく。しかし私たちの生活はこれまでも、これからも私たちの足もとに確かに「ある」。私たちの生命は小さく淡い光を放っている。この日常の微かな光が再びその明るさを増していくことを願いながら、今という時代の空気と人間の姿の記録としてこの作品を提示したい。