ランガ・アプトラ
1995年インドネシア、ジョグジャカルタ出身。国立芸術院ジョグジャカルタ校ファインアート卒業。
絵を描くことが純粋な喜びであったランガ・アプトラは、幼少期から作品を作り、現在はアジアとヨーロッパを中心に作品を発表する。ジョルジュ・マチュー、ジャン・デュビュッフェ、アントニ・タピエス、アンゼルム・キーファー、ゲオルグ・バゼリッツ、ザオ・ウーキー、ジャン・ミシェル・バスキアといった20世紀を代表する現代美術作家から強く影響を受け、さらに油絵、アクリル、アスファルト、車用塗料やスプレー等の新しい素材の探求を好み、新たな表現に挑戦し続けている。
ランガは記録をテーマに2シリーズの作品制作をする。
“Catatan Tekstur” (“Record of texture”) 「質感の記録」と名づけられたこのシリーズは、私たちの心や潜在意識に深く刻み込まれた過去の記憶の層を解き明かそうとする作品である。背面のレイヤーは過去を表し、現在を意味する前面に向かって時間的蓄積が積みあがっている。記憶は現在に残る、しかし、過去の全てを思い出すことは不可能だ。
二つ目のシリーズ、「屈折する色彩」“Bias Cahaya” (“Colour of Refraction”)では、瞳孔の働きによる色の不定形さ、形の不条理を表現している。太陽を見つめた後暗い部屋に入ると、視細胞の影響でそこにはない色や不規則な線が浮かび上がる。ヴィヴィッドな色彩、奇抜な模様、不規則な線が重なり合った本シリーズは、ファン・ゴッホやクロード・モネが試みた光の表現の、彼なりのアンサーといえよう。
Selected works
Fragrance of red
2023
Oil on canvas
W1400 × H1000mm
Survival#2 (floating on stone)
2023
Acrylic, carpaint on canvas
W800 × H1100mm
Installation View